不登校の「出席扱い」は、だれが決めるのか

家で過ごす日が続くと、「この時間は学校でどう扱われるのだろう」という問いが出てきます。検索すると条件を並べたページがいくつも出てきますが、いちばん肝心なところが書かれていないことがあります。判断するのは、在籍している学校です。

決めるのは、学校です

出席の扱いをどうするかを判断するのは、在籍する学校(校長)です。家庭でもなく、家庭の外で学びを支える事業者でもありません。

ですから、どんなサービスであっても「これを使えば出席として扱われる」と言うことはできません。言えるのは、学校が判断するときに読める材料を、こういう形で残せます、というところまでです。ツヅリクロスも同じ立場に立っています。評価も判定もしません。決めるのは学校です。

この線を先に引いておくと、家庭の側で何をすればいいのかが、かえってはっきりします。判断そのものを動かそうとするのではなく、判断する人が読める材料を整える。家庭にできることは、そこにあります。

材料がそろうことと、扱いが決まることは別です

記録が整っていることは、学校が判断するために必要なことのひとつです。ただし、それだけで扱いが決まるわけではありません。学校ごとに事情があり、同じ市町村の中でも判断が分かれることがあります。

ここを曖昧にしたまま「これで大丈夫です」と言う説明は、あとで家庭を苦しくします。材料はそろえられる。決めるのは学校。この2つを分けて持っておくほうが、話が前に進みます。

学校に相談するときも、この分け方はそのまま使えます。「これで出席として扱ってもらえますか」と尋ねると、先生は判断を迫られて、その場では答えにくくなります。「こういう形で記録を残しているのですが、判断の材料として読めますか」と尋ねるほうが、話が具体的になります。足りない欄があれば、そこを教えてもらえます。

学校は、何を見て決めているのか

私たちは2026年に、小学校・中学校・高校などで不登校の子どもに関わっている先生方へ、家庭や学校外での学びの記録をどう扱っているかを聞きました。そこで挙がったのは、記録そのものを拒んでいる、という話ではありませんでした。

多かったのは、「活用したいけれど、記録の形式・確認作業・判断基準が整っていない」という声です。

扱いにくい理由として挙がったものを、そのまま並べます。

  • 本人がどの程度主体的に取り組んだのか分からない
  • 何時間・どのくらいの頻度だったのか分からない
  • 教科・単元との関係が分からない
  • 保護者や支援者の主観が強い
  • 記録の信頼性・公平性を判断しにくい
  • 活動の内容が分かりにくい
  • 成果物や証跡を確認しにくい

足りないのは、家庭の熱意ではありません。形です。同じ出来事でも、書き方がそろっていれば読めるし、そろっていなければ読めない。先生方が言っているのは、その話でした。

記録が使われる場面は、出席の扱いだけではありません

先生方が「この記録が使える」と挙げた場面は、次のとおりでした。

  • 子どもの状態の把握
  • 保護者面談
  • 校内の支援会議
  • 出席の扱いを考えるときの参考
  • 成績評価の参考
  • 指導要録や支援記録の補助

出席の扱いは、そのうちのひとつです。日常的に効いてくるのは、面談や支援会議で「この子はいま家で何をしているのか」を共有できることのほうかもしれません。記録を残す意味を、出席の扱いが決まるかどうかだけで測らなくてよい、ということでもあります。

子どもに書かせることが、重荷になってはいけません

先生方の自由記述には、こういう言葉がありました。

「記録するために本人に活動量や内容について記録責任者からプレッシャーがかかることがないといいな」

「書くこと、自分について記録することさえ心理的にハードルが高い子たちも少なくない」

記録を整えることが、子ども本人への圧力に変わってしまっては元も子もありません。ツヅリクロスで保護者にお願いしているのは、写真を1枚送るところからです。子ども本人に日誌を書かせる作りにはしていません。

紙が学校へ自動で届くことはありません

記録を残すことをためらう理由のひとつに、「知らないうちに学校へ渡ってしまうのではないか」という心配があります。

ツヅリクロスがお返しする紙は、保護者だけにお渡しします。学校へ自動で送る仕組みを持っていません。学校に出すかどうか、いつ出すか、そもそも出さないか。それを決めるのは保護者です。

出さないという選択も、ちゃんと選択です。面談の直前に一度だけ見せる、という使い方もあります。手元にあることと、渡すことは別だと考えてください。

同じ理由で、体調や気持ちについて書かれたことは、紙を作る前に自動で取り除いています。学校での評価の材料と、その日の調子の話は、混ぜないほうがどちらにとっても安全だからです。

家庭の側で残せる材料

学校に渡す材料として残りやすいのは、次の4つです。

  • いつのことか(日付)
  • 何をしたか(できるだけ具体的に)
  • どのくらいの時間だったか
  • 残っているもの(作品・写真・書いたもの)

この4つがそろっていれば、先生が読んだときに「いつ・何を・どのくらい・証跡は」という問いに答えが返ります。あとの判断は学校に委ねる。ここまでが、家庭の側でできることの全部です。

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